― 伝承部~歴史的建造物・文化財修復~

【伝承部】~歴史的建造物・文化財修復~

1 はじめに

大工職人集団である弊社は、これまで培ってきた技術を元に、社寺仏閣の歴史的建造物復元・文化財などの修復に携わってきました。江迎本陣跡、長崎県指定有形文化財である潜龍酒造様、世界遺産長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産である野崎島集落跡にある旧野首教会保存修理工事にも従事させていただいております。

2 実績

2023年 旧野首教会保存修理工事(完成2025年11月予定)

旧野首教会(きゅうのくびきょうかい)とは、鉄川組が手掛けた初期の煉瓦造りの教会です。家業である大工の棟梁であった鉄川与助はフランス人宣教師ペール神父に師事し幾何学から学びそれをリブヴォールト天井の作成まで昇華させ、天主堂をはじめとする教会建築を行いました。野崎島は、高度成長期に人々が移住を決意し、無人島になり野首教会から旧野首教会となりました。その後旧野首教会は1989年(平成元年)に長崎県指定有形文化財となり、小値賀町によって修復がなされました。今回は令和の大改修として2023年11月より、主に煉瓦、瓦、内部構造、ヴォールト天井の修復を目指し改修を行っております。

(株)井手建設担当工事 木工事・屋根(瓦)工事・塗装工事・建具工事・電気工事他

2024年 本陣土塀改修工事

平戸藩の宿駅制度である江迎本陣跡の土塀の改修工事を行いました。

2025年 潜龍酒造貯蔵蔵改修工事

長崎県佐世保市江迎町にあり、徳川幕府の世である元禄元年からの酒造である潜龍酒造。その瓦屋根などの改修工事を行っております。

(株)井手建設担当工事 木工事・屋根(瓦)工事

3 伝承活動

日本の大工の伝統技術は、電動工具の発達、プレカットによる作業時間の短縮、建材の工場生産の進化により少しずつ失われていくロストテクノロジーになりつつあります。しかし、木造軸組工法(在来工法)など過去の優れた技術と対峙する時にその伝統技術でしか受け継げないものも存在します。弊社は、手刻みによる家造り、数寄屋造りなどの伝統建築様式、神社仏閣教会等の文化財修復などに対し持てる技術を注ぎこんできました。それを未来に残していきたい、大工職人を志す若手にその技術を学んでもらう場を作っています。それを弊社では伝承活動を名をうち、活動しております。